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反回神経麻痺

「急に声がかすれるようになった」「食事のときにむせることが増えた」といった症状でお困りではありませんか。のどの違和感や声の変化は、単なる喉の使いすぎや風邪だと思って放置してしまいがちですが、その背後には反回神経麻痺という重要な病気が隠れていることがあります。反回神経とは、脳から続く迷走神経から枝分かれし、喉仏の中にある声帯を動かすための神経です。この神経が何らかの原因でダメージを受け、声帯が動かなくなってしまう状態を麻痺と呼びます。東京都江戸川区にあるすぎやま耳鼻咽喉科クリニックでは、日本耳鼻咽喉科学会専門医である院長が、最新の知見に基づきながらも患者さんに寄り添った丁寧な診察を行っています。小岩駅から徒歩1分の当院では、内視鏡検査(喉頭ファイバースコープ)を用いて、声帯の動きをリアルタイムで詳細に確認することが可能です。反回神経は首から胸の方まで長く走っているため、麻痺の原因を探ることは、のど以外の全身疾患の早期発見につながることもあります。私たちは、地域に根ざした耳鼻咽喉科として、皆さんの「声」と「飲み込み」の健康を守るために全力を尽くしています。

反回神経麻痺の症状について

反回神経麻痺が起こると、まず最も自覚しやすいのが声の変化です。私たちの声は、左右一対ある声帯がぴたっと閉じて、そこに肺からの空気が通って振動することで生まれます。しかし、神経が麻痺して片方の声帯が動かなくなると、声帯の間に隙間ができてしまい、そこから空気が漏れるようなかすれ声になります。これを医学的には「気息性嗄声(きそくせいさせい)」と呼びます。

また、単に声がかすれるだけでなく、以下のような症状が現れることも一般的です。

  • 話し始めに息が漏れてしまい、長い文章を一気にしゃべることができなくなる。
  • 大きな声を出そうとしても力が入らず、弱々しい声になってしまう。
  • 食事中、特に水分を摂る際などに「むせ」やすくなる。
  • 咳払いをしようとしても、空気が漏れてしまい、強く「コンコン」と咳き込むことができない。

特に注意が必要なのが「飲み込み」の障害、いわゆる嚥下障害です。声帯には、呼吸の際に空気を通すだけでなく、飲み込むときに喉頭(のど)を密閉して、食べ物や液体が気管に入らないように守る「蓋」としての役割もあります。麻痺によってこの蓋がしっかり閉まらなくなると、誤って気管に物が入ってしまう「誤嚥(ごえん)」が起こりやすくなります。これが繰り返されると、誤嚥性肺炎という命に関わる病気を引き起こすリスクがあるため、高齢の方や体力が低下している方は特に注意深く経過を見る必要があります。

両側の神経が同時に麻痺してしまった場合は、声のかすれよりも呼吸困難が前面に出ることがあります。左右両方の声帯が真ん中で動かなくなってしまうと、空気の通り道が著しく狭くなるためです。この場合は緊急性が高く、早急な対応が求められます。

反回神経麻痺の原因について

反回神経麻痺の原因は非常に多岐にわたります。その理由は、この神経がたどる特殊な「走行ルート」にあります。反回神経は脳から首を下り、一度胸の中(左側は大動脈弓、右側は鎖骨下動脈)まで行ってから、文字通り「反転」して再び首を上り、のどへと戻ってきます。この長い経路のどこかで神経が圧迫されたり、傷ついたりすると麻痺が生じるのです。

臨床的に多く見られる原因としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 手術による影響・・甲状腺がんや食道がん、肺がん、あるいは心臓・大血管の手術の際に、神経がルート上にあるため、やむを得ず接触したり、操作の影響を受けたりすることがあります。
  • 腫瘍による圧迫・・神経の通り道にある臓器(甲状腺、食道、肺、縦隔など)に腫瘍ができると、それが神経を圧迫したり、浸潤したりして麻痺を引き起こします。
  • 大血管の病気・・大動脈瘤などの血管のコブが神経を圧迫することがあります。左側の反回神経は大動脈のすぐそばを通るため、左側の麻痺では心血管系の精査が必要になることもあります。
  • 特発性(原因不明)・・検査を尽くしても原因が特定できない場合です。ウイルス感染による神経炎などが疑われることもあります。

当院では、のどの内視鏡検査で麻痺を確認した後、必要に応じて大きな病院と連携し、CT検査やMRI検査などを手配して、胸部や頸部に隠れた病気がないかを徹底的に調査します。のどの症状が、実は胸の病気のサインであることもあるため、慎重な診断が欠かせません。

反回神経麻痺の病気の種類について

反回神経麻痺は、その現れ方によっていくつかの種類に分類されます。それぞれの状態によって、現れる症状の重さや、治療の優先順位が変わってきます。

1.片側性反回神経麻痺

左右どちらか一方の神経だけが麻痺した状態です。日常の診療で遭遇するのは、ほとんどがこのタイプです。声帯が完全に閉じないため声がかすれますが、もう一方の声帯は動いているため、呼吸ができなくなることは稀です。時間が経過すると、動いている方の声帯が麻痺した側に寄ってきて、隙間を埋めようとする代償作用が働くこともあります。

2.両側性反回神経麻痺

左右両方の神経が麻痺してしまう非常に重篤な状態です。声帯が中途半端な位置で固定されてしまうと、空気の通り道が塞がってしまい、激しい呼吸困難や喘鳴(ぜんめい・・呼吸時のヒューヒューという音)が生じます。声は出ることもありますが、生命の維持に関わるため、気管切開などの処置が必要になる場合もあります。

3.左側麻痺と右側麻痺の違い

圧倒的に左側の麻痺が多いという特徴があります。これは、左側の反回神経の方が右側よりもルートが長く、大動脈弓という心臓の大きな血管の下をくぐってくるため、トラブルに巻き込まれる確率が高いためです。左側の麻痺が見つかった場合は、肺や心臓の状態も念入りに確認する必要があります。

反回神経麻痺の治療法について

反回神経麻痺の治療方針は、原因が何であるか、そして発症からどのくらいの期間が経過しているかによって決まります。まず大前提として、腫瘍などが原因である場合は、その大元の病気の治療を優先します。

麻痺そのものに対する治療アプローチは以下の通りです。

経過観察と薬物療法

神経の損傷が軽微な場合や、原因不明の特発性の場合は、自然回復を待つことがあります。神経の修復を助ける目的で、ビタミンB12製剤や副腎皮質ステロイド薬、血流改善薬などが処方されることがあります。麻痺が発生してからおよそ半年から1年程度は、回復の可能性があるため、慎重に経過を観察します。

音声リハビリテーション

言語聴覚士の指導のもと、声の出し方を工夫するトレーニングを行います。腹式呼吸を意識したり、喉に負担をかけない発声法を身につけたりすることで、残っている機能を最大限に活用し、声のかすれを軽減させます。また、嚥下訓練を行うことで、誤嚥を防ぎ、安全に食事を摂るためのコツを習得します。

手術的治療

半年以上経過しても声の改善が見られない場合や、誤嚥がひどく日常生活に支障がある場合には、手術を検討します。手術には大きく分けて、声帯の中に物質を注入してボリュームを出す「声帯内注入術」と、喉の軟骨を加工して声帯の位置を強制的に真ん中に寄せる「喉頭枠組み手術」があります。

当院では、診察の結果、手術が必要と判断された場合には、信頼できる大学病院や総合病院の専門外来を速やかにご紹介いたします。日本耳鼻咽喉科学会専門医として、適切なタイミングで高度な医療へつなげることも私たちの重要な役割だと考えています。

反回神経麻痺についてのよくある質問

Q1.自然に治ることはありますか?

A1.原因にもよりますが、特発性(原因不明)のものや、手術による一時的な神経のむくみなどが原因であれば、数ヶ月かけて自然に回復する可能性があります。ただし、神経が完全に切断されている場合などは自然回復が難しいため、まずは内視鏡で状態を把握することが大切です。

Q2.声がかすれているだけで、痛みはありませんが受診すべきですか?

A2.はい、ぜひ受診してください。反回神経麻痺の多くは痛み、を伴いません。痛みがないからこそ、背後に深刻な病気が隠れていても気づきにくいという側面があります。「風邪でもないのに2週間以上声がかすれる」という場合は、耳鼻咽喉科でのチェックを強くお勧めします。

Q3.どのような検査をしますか?

A3.まずは、鼻から細いカメラ(内視鏡)を入れて、声帯の動きを直接観察します。これは数分で終わる検査で、痛みもほとんどありません。麻痺が確認された場合は、原因を調べるために血液検査を行ったり、提携医療機関でCTやMRIの画像検査を受けていただいたりすることがあります。

Q4.食事のときに気をつけることはありますか?

A4.サラサラした水分(水や茶)は、勢いよく気管に入りやすいため、とろみをつけたり、ゆっくり飲んだりする工夫が必要です。また、顎を軽く引いて飲み込むと、構造上気管に入りにくくなります。具体的な嚥下指導も当院で行っておりますので、お気軽にご相談ください。

院長より

すぎやま耳鼻咽喉科クリニックのホームページをご覧いただき、ありがとうございます。院長の杉山博です。声は、私たちが社会生活を営む上で欠かせないコミュニケーションツールです。その声が思うように出なくなる不安や、食事のたびにむせてしまう辛さは、想像以上にストレスのかかることだと思います。

私たちのクリニックは、日本耳鼻咽喉科学会専門医として、みみ・はな・のどの専門的な治療を提供しています。江戸川区西小岩の地で、地域の皆さんに寄り添い、「何かあったらまずは杉山さんに相談しよう」と思っていただける存在を目指しています。反回神経麻痺は、早期に見つけることで、適切なリハビリテーションを開始できたり、隠れた大きな病気をいち早く発見できたりする疾患です。

のどの違和感や声の変化を「年のせいかな」「疲れかな」と決めつけてしまう前に、一度当院へお越しください。小岩駅北口から徒歩1分という立地ですので、お仕事帰りやお買い物のついでにも立ち寄りやすいかと思います。私たちは、患者さんが納得できるまで丁寧にご説明し、一人ひとりに最適な治療計画をご提案します。

「最近、声が少し変だな」と感じたら、それが私たちへの相談のサインです。どうぞお気軽に、安心して扉を叩いてください。スタッフ一同、笑顔で皆さんをお迎えいたします。

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