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滲出性中耳炎

滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)は、鼓膜の奥にある「中耳(ちゅうじ)」という空間に、滲出液(しんしゅつえき)と呼ばれる液体が溜まってしまう病気です。一般的な「中耳炎」と聞くと、激しい耳の痛みや発熱を連想される方が多いかもしれませんが、滲出性中耳炎の最大の特徴は痛みがほとんどないことです。そのため、特に小さなお子さんの場合は自分から症状を訴えることが難しく、周囲の大人が気づかないうちに進行してしまうケースが少なくありません。江戸川区西小岩にある「すぎやま耳鼻咽喉科クリニック」では、日本耳鼻咽喉科学会専門医である院長が、マイクロスコープや内視鏡、聴力検査機器を用いて、目に見えない鼓膜の奥の状態を的確に診断いたします。小岩駅北口から徒歩1分の場所に位置し、お忙しい保護者の方やご高齢の方でも通いやすい環境を整えております。「最近、呼びかけても返事が遅い」「テレビの音を大きくしている」といった些細な変化は、耳の中に液体が溜まっているサインかもしれません。私たちは、地域の皆さまの大切な聞こえを守るため、一人ひとりのライフスタイルに寄り添った丁寧な治療を心がけています。早期に適切な処置を行うことで、健やかな成長や日常生活の質の向上をお手伝いいたします。耳の違和感や聞こえの不安があれば、どうぞお気軽にご相談ください。

滲出性中耳炎の症状について

滲出性中耳炎は、痛みがない代わりに「聞こえ」に関する症状が中心となります。大人であれば自分自身の違和感として自覚できますが、お子さんの場合は行動の変化として現れるため、注意深い観察が必要です。代表的な症状には以下のようなものがあります。

聞こえにくさ(難聴)

中耳に液体が溜まることで鼓膜の振動が妨げられ、音が伝わりにくくなります。これを伝音難聴(でんおんなんちょう)と呼びます。水の中に潜っているときのような、くぐもった聞こえ方になるのが一般的です。お子さんの場合、後ろからの呼びかけに反応しないことや、何度も聞き返すといった行動が見られます。

耳が詰まった感じ(耳閉感)

耳の中に水が入っているような、あるいは飛行機に乗ったときのような不快な「耳の詰まり」を感じます。あくびをしたり、唾を飲み込んだりしても解消されないのが特徴です。ご高齢の方では自分の声が響く(自声強聴)と感じることもあります。

その他の日常的なサイン

日常生活の中で、以下のような様子が見られる場合は、滲出性中耳炎の可能性があります。

  • テレビの音量を以前よりも大きく設定している・・
  • 大きな声で話すようになった・・
  • 集中力がない、あるいは落ち着きがないように見える・・
  • 耳を頻繁に触ったり、気にする仕草をしたりする・・

これらの症状は、風邪を引いた後にしばらく続いて起こることが多いため、鼻水や咳が落ち着いた後に「聞こえ」に変化がないかを確認することが重要です。当院では、お子さんの耳の状態を内視鏡でモニターに映し出し、保護者の方にも実際の状態を確認していただきながら説明を行っています。

滲出性中耳炎の原因について

滲出性中耳炎が起こる直接的な原因は、耳と鼻をつないでいる耳管(じかん)という管の働きが低下することにあります。この耳管には、中耳の気圧を調整したり、中耳に溜まった分泌物を鼻の方へ排出したりする役割があります。

耳管の機能不全

何らかの理由で耳管が詰まったり、うまく開かなくなったりすると、中耳が密閉された状態になります。中耳の空気が粘膜に吸収されて気圧が下がると、粘膜から水分(滲出液)が染み出し、それが溜まってしまいます。特にお子さんの耳管は、大人に比べて短く太く水平に近いため、鼻の奥の細菌やウイルスが入り込みやすく、機能も未発達であることから発症しやすい傾向にあります。

鼻やのどの病気との関連

耳管の出口は鼻の奥(上咽頭)にあるため、鼻の健康状態が耳に大きく影響します。

  • 副鼻腔炎(蓄膿症)・・鼻の粘膜が腫れ、耳管の入り口を圧迫します。
  • アレルギー性鼻炎・・慢性的な炎症により耳管の通りが悪くなります。
  • アデノイド肥大・・鼻の奥にあるリンパ組織が肥大し、物理的に耳管を塞ぐことがあります。
  • 風邪による炎症・・のどや鼻の炎症が耳管に波及します。

江戸川区周辺でも、季節の変わり目にはアレルギー症状から中耳炎を併発される方が多くいらっしゃいます。私たちは耳だけでなく、原因となっている鼻やのどの状態もしっかりと確認し、根本的な解決を目指します。

滲出性中耳炎の病気の種類について

中耳炎にはいくつかの種類があり、滲出性中耳炎は他のタイプの中耳炎と密接に関係しています。それぞれの違いを理解することで、治療の重要性がより明確になります。

急性中耳炎との違い

急性中耳炎は、細菌感染によって中耳に膿が溜まり、激しい痛みや発熱を伴うものです。一方、滲出性中耳炎は感染による急激な炎症というよりは、気圧調節の不全による液体の貯留です。しかし、急性中耳炎が治りきらず、膿が液体として残ることで滲出性中耳炎へ移行するパターンは非常に多く見られます。

慢性的な経過をたどる場合

症状が長期間(数ヶ月以上)続くものを慢性滲出性中耳炎と呼びます。液体が溜まったまま放置されると、鼓膜が中耳側にへばりついてしまう「粘着性中耳炎」や、鼓膜の一部が袋状に中耳へ入り込んで周囲の骨を溶かす「真珠腫性中耳炎(しんじゅしゅせいちゅうじえん)」といった、手術が必要な重篤な疾患につながるリスク因子となるため注意が必要です。

年齢による特徴

多くはお子さんの病気ですが、ご高齢の方でも発症します。加齢によって耳管を動かす筋肉が弱くなることが原因の一つです。ただし、大人の場合は稀に鼻の奥に腫瘍があることで耳管が塞がっているケースもあるため、専門医による慎重な診察が欠かせません。

滲出性中耳炎の治療法について

当院の治療方針は、まずは「鼻の通りを良くすること」と「耳に空気を通すこと」を基本とし、患者さんの年齢や症状の重さに合わせて段階的に進めてまいります。

鼻の処置と薬物療法

耳管の働きを改善するために、まずは原因となっている鼻の治療を優先します。

  • 鼻汁吸引・・専用の機器で鼻の奥の粘り気のある鼻水をしっかり吸い取ります。
  • ネブライザー療法・・薬剤を霧状にして鼻から吸入し、炎症を抑えます。
  • お薬の処方・・粘膜の腫れを引かせる薬や、鼻水を出しやすくする薬、アレルギーを抑える薬などを処方します。

耳管通気(じかんつうき)

鼻から耳管の入り口に専用の器具を当て、空気を送り込むことで強制的に中耳へ空気を届ける処置です。溜まっている液体が鼻の方へ排出されやすくなり、一時的に聞こえが改善する効果も期待できます。

鼓膜切開術(こまくせっかいじゅつ)

薬物療法や通気処置で改善が見られない場合や、難聴が強い場合には、鼓膜に数ミリの小さな穴を開けて、中の液体を直接吸引します。切開した穴は通常数日から一週間程度で自然に閉鎖します。当院では十分に麻酔を行い、顕微鏡下で安全に行います。

鼓膜換気チューブ留置術

切開を繰り返してもすぐに液体が溜まってしまう再発性の高いケースでは、鼓膜に小さなシリコン製のチューブを挿入し、中耳の換気を維持する治療を行います。これにより、常に中耳の気圧が保たれ、難聴が解消されるとともに、粘膜の状態が徐々に寛解(症状が落ち着くこと)へと向かいます。チューブは数ヶ月から一年程度留置し、状態を見極めて抜去します。

料金について

滲出性中耳炎の検査や治療は、原則として健康保険が適用されます。初診料や再診料のほか、実施した検査や処置に応じて費用が決まります。江戸川区の子ども医療費助成制度などの対象の方は、自己負担額が軽減されます。詳細な金額については、窓口までお気軽にお尋ねください。

主な検査・処置の費用目安(3割負担の場合)

以下の金額はあくまで目安であり、診察の内容によって前後します。

項目 費用の目安(3割負担)
初診料・再診料 約400円 - 約900円
聴力検査(純音聴力検査など) 約1,000円 - 約1,500円
チンパノメトリー(鼓膜の動きの検査) 約300円 - 500円
鼻内視鏡検査 約1,800円
鼓膜切開術(片耳) 約1,200円

滲出性中耳炎についてのよくある質問

Q1. 滲出性中耳炎のときにお風呂やプールに入っても大丈夫ですか?

A1. 基本的には入浴に制限はありません。プールについても、鼓膜に穴が開いていない状態であれば問題ありませんが、鼻水がひどいときや治療直後は控えたほうが良い場合があります。鼓膜切開後やチューブ留置中の場合は、耳に水が入らないよう注意が必要ですので、個別にアドバイスさせていただきます。

Q2. 治療にはどのくらいの期間がかかりますか?

A2. 症状の程度や鼻の状態によりますが、数週間から数ヶ月単位での通院が必要になることが多いです。一度液体がなくなっても、風邪をきっかけに再発しやすいため、予後(治療後の経過)を慎重に見守ることが大切です。根気強く治療を続けることが、将来的な難聴のリスクを減らすことにつながります。

Q3. 放っておくとどうなりますか?

A3. 痛みがなくても、難聴が続くことでお子さんの場合は言語の発達や学習能力に影響が出る可能性があります。また、長期間放置すると鼓膜が薄くなったり、周囲の骨が溶けたりする深刻な病気に移行する恐れがあるため、早期発見と適切な管理が不可欠です。

Q4. 自宅でできるケアはありますか?

A4. 鼻をかめるお子さんの場合は、片方ずつ優しくかむ習慣をつけてください。強くかみすぎると耳に負担がかかります。また、鼻をすする癖は中耳の気圧を下げてしまうため、意識して控えさせるようにしましょう。室内を適切に加湿し、粘膜を保護することも有効です。

院長より

すぎやま耳鼻咽喉科クリニックのホームページをご覧いただき、ありがとうございます。院長の杉山博です。私は日本耳鼻咽喉科学会専門医として、これまで多くの患者さんの耳の悩みに向き合ってまいりました。滲出性中耳炎は、痛みを伴わないがゆえに発見が遅れがちな疾患です。「うちの子、ちょっと耳が遠いのかしら?」というお母さんの直感は、多くの場合、正しいことが多いものです。当院では、聴力検査や内視鏡検査の結果をモニターで一緒にお見せしながら、今の耳の状態がどうなっているのかを、ご家族にも納得いただけるまで分かりやすく説明することを大切にしています。江戸川区西小岩という、私にとっても愛着のあるこの地で、小岩駅周辺にお住まいの皆さまに寄り添い、何でも気軽に相談できる「街の耳鼻科」でありたいと考えております。お子さんの健やかな成長、そして皆さまの豊かな「聞こえ」のある生活を守るために、当院の専門的な知見をぜひお役立てください。少しでも耳のことが気になったら、受診を迷わずにいつでも足を運んでいただければ幸いです。スタッフ一同、笑顔で皆さまをお迎えいたします。

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