お知らせ | すぎやま耳鼻咽喉科クリニック

お知らせ

めまいについて

1. めまいの症状について
 症状としては、グルグルと回転する感じ、フワッとして浮いた感じ、クラクラと揺れる感じなど様々です。今まで元気だったのに、突然にこのような症状を発症しますと、不安な気持ちになります。吐き気・嘔吐・頭痛・耳鳴と様々な症状も随伴して生じる場合もあり、原因がわからなければ、その不安はさらに強くなります。

2. めまいの原因について
 耳の病気が原因となることが多く、中でも耳石が原因でめまいを生じる良性発作性頭位めまい症がめまい疾患の約4割をしめるといわれております。しかしながら、脳の病気が原因となることもあるため、下記症状がある場合は、脳の精密検査が必要となります。

□ 呂律(ろれつ)がまわらない
□ 発音がうまくできない
□ 麻痺やしびれがある
□ うまく歩けない
□ 物が二重にみえる
□ 細かい作業ができない
  
 以上のような場合は、脳の障害が原因となる可能性があるため、早めにお近くの神経内科か脳神経外科を受診する必要があります。体のバランスをとる仕組みは、耳・眼・筋肉(深部知覚)などからの情報が脳に送られ、統合されます。これらの情報で、くい違いが起こると、バランスがくずれてしまい、めまいが起こります。耳の疾患・眼科疾患・全身疾患・中枢疾患等が原因として考えられますが、まずは緊急性のある疾患かどうかの診断が必要となりますので、頭のCTやMRI検査が可能な病院を受診されることが大切です。

3. めまいと関係する代表的な病気について
① 脳の病気について
脳血管の障害:脳出血・脳梗塞・
       椎骨脳底動脈循環不全症
腫瘍の発生 :聴神経腫瘍・小脳腫瘍
② 全身の病気について
不整脈   :房室ブロック・心房細動
血圧の変動 :起立性低血圧・高血圧
その他   :不安・心配ごと・低血糖・貧血
③ 耳の病気について
内リンパ水腫:メニエール病
耳石による :良性発作性頭位めまい症
循環障害  :めまいを伴う突発性難聴
神経の炎症 :前庭神経炎
リンパの漏れ:外リンパ瘻
④ 薬剤性について
ポリファーマシー:多剤服用
         薬剤の相互作用
         副作用

4. めまいの検査について
 脳の病気を疑う場合や、救急車で病院に搬送された場合は、脳の精密検査が必要となり、頭部CT検査が施行されます。
 また、心臓が原因として考えられる場合は、循環器内科を受診して心電図等の精密検査が必要となります。

 上記検査で異常が発見されない場合は、耳鼻咽喉科を受診するようにすすめられます。耳鼻咽喉科での検査は、まず問診からはじまります。お薬手帳がある方は持参しましょう。
 そのあと、めまいの程度をみる検査として、特殊な眼鏡を使用して、眼振を検査し、ビデオカメラへ入力します。また、体のふらつきをみるため、足踏み検査(閉眼50歩)をして、病気の診断の補助となる検査も施行します。

【耳鼻咽喉科での検査ついて】(下記)
平衡機能検査(標準検査)
平衡機能検査:眼振検査
(赤外線CCDカメラによる) 
平衡機能検査:
(ビデオヘッドインパルス検査)

 検査後、異常が認められない場合は、必要に応じて、質問票の記入をお願いします。質問票にはDHI・HADS 等があり、ご本人の記入が終わり次第、説明します。

5. めまいの治療について
 抗めまい薬、漢方薬、内耳循環改善薬、制吐剤、抗不安薬などを症状に応じて処方します。
 内耳の耳石が原因となる場合は、浮遊耳石置換法を行います。

6. めまいのリハビリについて
 眼球運動のリハビリが中心で、ヘッドチルトホッピング法(クプラ型結石症)・浮遊耳石置換法としてはエプリー法(後半規管型)・レンパート法(外側半規管型)があり、自宅では、ローリングオーバー(寝返り法)にて経過をみます。
 水分接収・有酸素運動が必要となる場合もあり、基本的には寝ているだけでは治らないと説明されます。

7. めまいとの付き合い方について
 めまいが再度起こらないように心がけることは、不安も解消されることにつながります。
① 睡眠と休養を十分にとる
② ストレスとうまく付き合う:
 有酸素運動・気分転換
③ 禁煙:
 タバコは脳や内耳の血液循環を悪くします
④ 規則正しい食事をする:
 朝食をとること・水分摂取を心がける
⑤ 飲酒は控えめ:
 生活のリズムをくずさない
⑥ 旅行前には主治医に相談する:
 乗り物酔いに注意する

※ストレスを軽減させるには、人には優しくして、オキシトシンを脳下垂体後葉から分泌させ、脳内のセロトニンを枯渇させないようにする。また、睡眠の質を向上させるには、起床時の日光浴にて、松果体からのメラトニン分泌を正常化させ、体内リズムが守られるようにする。この2点はめまいに負けないために大切である。

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